ボールを飛ばす仕組みとは?
そもそも、ゴルフボールはどのようにして、あんなに遠くまで飛んでいくのでしょうか?
メージャーリーグでも、その飛距離に注目が集まるエンジェルスの大谷翔平選手。
彼の放つ、特大ホームランの飛距離がだいたい140メートルくらい。
ゴルフのヤードでいうと約155ヤードくらいです。
「あっ、それなら私のドライバーの飛距離と同じくらいだ!」と思った女性ゴルファーもいるはずです。
その通り!
ゴルフなら女性の飛距離でも、軽々と大谷翔平選手のホームランを超えられるのです!
つまりゴルフは、野球の飛距離など比べものにならないほど、ボールが飛ぶ競技なのです!
それではゴルフボールはなぜ、そんなに飛ぶのでしょうか?
その仕組みを簡単に説明しましょう。
ゴルフボールの仕組み
ゴルフボールの直径は1.680インチ(42.67ミリメートル)
重量は1.620オンス(45.93グラム)
そして、特徴的なのがディンプルというデコボコが300~500個ついていることです。
ちょっと考えると、ボールに抵抗がないツルツル状態の方が空気抵抗が無くて遠くに飛びそうな感じがしますが、ディンプルボールには、空気抵抗の軽減と揚力の効果があり、飛んでいくボールに対して抵抗があった方が、上に揚力が働き、落ちにくくなります。
野球のボールも縫い目が抵抗になっているので上向きに揚力が発生しておりディンプルボールと同じ原理になっています。
ディンプルボールの登場によりディンプルの数が多いほど遠くに飛ぶという状態になり一時期ゴルフメーカーは、ディンプルの数を増やして新しいボールを発売して競争をした時代もありました。
しかし、ディンプルの数が多ければ多いほど飛ぶというワケではありません。
抵抗が強すぎると失速してしまうのでバランスが大切なのです。
そして、触るととても硬いボールですが、ヘッドスピード45m/s(時速162km)くらいのゴルファーが打つとインパクトの瞬間、この硬いボールが4分の1程度潰れます。
でもこのボールの復元力はすごいものがあって、コンクリート路面の上に置いて道路舗装用の鉄輪ローラーで踏んでも原型がなくなることは全くないほどなのです。
この復元力とディンプルの空気抵抗と揚力を作り出す仕組みこそが、遠くに飛ばすための最大のポイントなのです!
ゴルフクラブの仕組み
ゴルフクラブは、ヘッド、シャフト、グリップの3つのパーツから出来ています。
一般的にゴルファーは、ヘッドに注目しがちですが、ボールを飛ばすためにもっとも注目すべきは、シャフトなのです!
シャフトは、インパクト部分でもっともヘッドが加速するように、しなるよう計算されて作られています。
つまり、シャフトがゴルフクラブのエンジン部分にあたります!
ですから、飛ばしを考えるときに、もっとも注目すべきなのはシャフトです!
ちなみに、値段もヘッドよりもシャフトの方が高い場合がほとんどです。
ゴルファーはそれぞれ、体力やスイングスピードが違いますから、最適なシャフトを選ぶことが大切なのです!
では、ヘッドの役割はどうかというと、ボールとの衝突の際、いかにボールをまっすぐに前へ押し出すかです!
クラブヘッドとボールが接触すると、フェースとボールのディンプルの間に摩擦が生じてそれによってボールにはスピンがかかり上記したように、ボールの復元力と揚力を作り出すわけです。
飛距離アップに必要な要素とは?
一般的に浸透してきている飛距離アップに大切と言われている要素は、ヘッドスピードとミート率です。
ヘッドスピードとは、スイングした時のインパクト周辺のヘッドの速度のこと。
ミート率とは、何となく「芯で打てた確率」みたいな感じを受けますが、ちゃんと計算式で求められる数値です。
ボールの飛んでいく速度(=ボールスピード)÷スイングした時のヘッドの速度(=ヘッドスピード)がミート率を表しています。
このミート率が高いということは「ヘッドスピードに対して効率よくボールスピードが出ている」証拠!
つまりは、効率良くエネルギーをボールに伝えているということになります。
ドライバーショットの飛距離を伸ばすため大切な3つの要素が・・・
- ボールの初速
- 打ち出し角度
- スピン量
これらの数値を上げるために、ドライバーのヘッドは日進月歩、研究改良されています。
「最適なスピン量で初速が速く、強弾道を実現!アゲンストでも、オフセンターヒットでもしっかりと飛ぶ!」
なんていう、広告キャッチをよく見ますが、本当にドライバーヘッドの進化には驚かされます!
もしヘッドスピードが今のままであっても、上の3つの数値を最適化することによって、あなたの飛距離はもっと出せるということになります。
飛距離を決める大きな要素となる「ボールの初速」と飛距離関係を数式で示すと・・・
ヘッドスピード × ミート率 = 初速
初速 × 4 = 飛距離
ボールの初速を上げるためには、「ミート率」というのは、切っても切り離せない関係にあるものなのです!
つまり「ミート率を上げれば、初速が上がる」「初速が上がれば、飛距離は伸びる」ということになるのです!
インパクト右手の押しでもっと飛ぶ?
では、ミート率を上げるためにはどんな練習をすればよいのでしょうか?
まず大切なことはクラブヘッドの「芯」で打つ事。
シャフトが長ければ長いほど、芯でボールを捕らえることは難しくなってきます。
ですから、ドライバーの練習をする場合でも、グリップを短く握って、スイングを半分のハーフスイングで、ボールをフェースの芯で捕らえる練習をすることをおすすめします!
この練習をすると、右手をどのように使えばよいかが、つかめてきます。
今回のテーマである「右手押しで飛距離アップさせる!」ということが、いかに間違っているかがわかってきます!
どういうことかと言えば、右手の役割は、コントロール優先であって、パワーアームとしては、使わない方が良いということです!
なぜかと言えば、ボールは腕力で打つのではなく、ゴルフクラブで打つものなのです!
ゴルフクラブを上手く利用して、使いこなすことによって飛距離は確実に伸びてきます!
では、なぜ「右手で押し込め!という理論が出てくるのか?」
それは、「利き腕をおもいっきり力んで使うと気分がいいから!」
でも、「ボールはどこへ行ってしまうかわかりませーん!」
少なくとも、100切り、90切り、80切りを目指すレベルのゴルファーは、この言葉をしっかり頭に入れておいて下さい。
この辺のレベルのゴルファーは、まずシャフトをうまく使ってヘッドを走らせてボールを飛ばすということを理解し、体感出来るようになりましょう!
プロレベルのいう「右手で押し込め!理論」は、あくまでも右手主体ではなく、ほんの一瞬、ちょっとだけ押すような感じを出すだけです!
ブランコの心地よい揺れ
私の理論は、ゴルフクラブを心地よく振るのは、ブランコを心地よく揺らすのと同じだとイメージしています。
公園で、幼い子でもをブランコに座らせて、危なくないように「ゆっくりと、ソーッと」押してあげます。
いきなりおもいっきり押したら、子どもは落ちてしまう危険がありますし、バランスが悪いとブランコはヨレヨレになって半回転しながら揺れてしまいます。
これ、ゴルフで力んで打つとボールのサイドスピンが多くかかりすぎて大きく曲がっていくのと同じ理論です!
ゆっくりと心地よく揺れるブランコに、少し加速をつけようとしてもソーッと押してあげるだけで、かなりの加速がつきます。
インパクトで、右手を使って押し込むとしても、ボールがヨレない程度にソーッと使うだけです。
これは、上級テクニックと言っても良いでしょう!
ちょっと試してダメだったらすぐに止めましょう!
まとめ
さて、今回のお話、おわかりいただけましたでしょうか?
ゴルフクラブの進化は、とてもめざましいものがあります。
メーカー各社は、競争で新しいテクノロジーを駆使してクラブを開発しています。
そのスピードは、明らかに一般ゴルファーの技量を置き去りにしています。
逆に、最初からこのようなハイスペックなゴルフクラブを手にしてゴルフをはじめる子供達は、10代の女子プロゴルファーに象徴されるように、とてつもないハイレベルなゴルフを展開することが可能になっているのです!
一般ゴルファーは、とにかくゴルフクラブを心地よく振ることを身に付け、インパクトで余計なチカラを入れないような練習をすることが、なによりも大切です!
がんばりましょう!
こちらの記事もご覧下さい⇒おすすめゴルフ練習!ドライバーのハーフスイングでミート率UP!
ゴルフを始めてまず最初の願望は、「飛ばしたい!」「もっと飛距離があれば・・・」「あいつに飛距離で負けるのはイヤだ!」「もっと飛べばスコアも良くなるはずだ!」。
とにかく飛ばしたい願望は、老若男女問わず、みんなの願望のようです。
ですから、ゴルフ雑誌に飛距離を伸ばすためのヒントがあれば、とにかくすぐ試したくなるのが人情!
特に「右手のチカラを使って飛ばせ!」というキャッチは、何十年にもわたって、飛距離願望の強いゴルファーに対する殺し文句なのであります!
なぜなのか?
果たして、インパクトで右手を使うと本当に飛ぶのか?
でもその前に、ゴルフボールを飛ばす仕組みをはっきりと理解していますか?
ということで今回は、『ゴルフスイング、インパクトは右手で押すと飛距離アップする?』についてお伝えします!
※右利きゴルファーに対する表現とさせていただきますので、左利きゴルファーは左右を置き換えてお読み下さい。