ユーティリティのシャフトはスチールにする?カーボンにする?

シャフトの種類には、金属パイプ製のスチールシャフトと、カーボン繊維を使ったカーボンシャフトの2種類のシャフトがあります。スチールシャフトの方が重さがあり、カーボンシャフトの方が軽量です。かつて筆者が学生時代に使用した、パーシモン(柿の木)で作られたドライバーヘッドには、スチールシャフトが差し込まれている方が当たり前でした。もちろんフェアウェイウッドにもアイアンにもスチールシャフトが入っていました。当時カーボンシャフトは高価で、お金持ちのおじいさんが使うシャフトという印象が強かったものです。最近では、カーボンシャフトもスタンダードになっています。スチールかカーボンの選択を考える場合、男子プロゴルファーのゴルフバッグの中身を参考に見てみると、まず、ドライバーのシャフトはカーボン。フェアウェイウッドもカーボンを採用しています。ユーティリティは、カーボンを使っているプロの方が多いですが、スチールシャフトを入れているプロもいます。アイアンは、スチールシャフトがほとんどです。それは、女子プロゴルファーも、ほぼ同じシャフトの選び方になっています。
では、ユーティリティのシャフトには、どちらを選んだら良いのか、その選択基準を考えてみましょう。

スチールシャフトの歴史

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シャフトの歴史を見ていくと、まずは、木製のヒッコリーシャフトが使われ、ヘッドの素材も木製でした。

やがて、ヘッドに金属が用いられるようになりアイアンと呼ばれるクラブが誕生しました。

1923年、アメリカ・オハイオ州の、農業用フォークと鍬の製造・販売していたトゥルーテンパースポーツの前身の会社がスチールシャフトの開発に着手しました。

当時は、ウォルター・ヘーゲン、ボビー・ジョーンズという2大スーパースターの活躍により空前のゴルフブームが到来し、ゴルフ用具市場も次々と新しいものが開発され始めた時代でした。

トゥルーテンパー社は、1928年にステップダウン工法によるスチールシャフトを発表。

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ステップ(段差)によりテーパー(手元が太くてヘッド側が細くなる加工)が付けられ、強度や精度、均一性を飛躍的に向上させた画期的なシャフトで、この工法は21世紀になった今でも引き続き行われている完成度の高い製法です。

しかし、誕生したばかりのスチールシャフトは、ヒッコリーシャフト職人やプロからはあまり歓迎されず、性能的には優れているものの、ヒッコリーよりも重く、何百年も続いたヒッコリーシャフトに工芸的な愛着感があったこともあり、「ルールで認めるべきではない」という意見が大勢を占めていたようです。

ようやくスチールシャフトが認められて全盛時代を迎えるのは、R&A がルールで使用を認めた1930年以降のことです。

そしてトゥルーテンパースポーツの歴史の中で鍵となるのは、シャフト選びのベースとなる「フレックス分類、フレックス(R、S、X)とキックポイント(元、中、先)」を世界で初めて製品に実現したことでした。

その後開発された「Dynamic Gold」というスチールシャフトは、発売されるとすぐにPGAツアープロから圧倒的な支持と信頼を得ることとなり、今日でも、世界中のプロや上級者向けシャフトの主流となっており、「シャフト業界の革命」とさえ言われるほどゴルフ界に多大な影響を与え続けているシャフトです。

1960年代後半になると、シャフト界は新たな時代を迎え、ウッド系、特に飛距離を求めるドライバーには、より軽量化を求める声が大きくなってきました

カーボンシャフトの登場とその特徴

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ドライバーヘッドの素材は、パーシモン、メタル、カーボン、チタンなど、次々に開発される新素材によって変貌を遂げてきました。

シャフトもヒッコリーからスチール、アルミ、カーボン、ボロン、ケブラー、チタンなど多くの素材が使用され、それにより長さや重さ、トルク、キックポイントなども大きく変わってきました。

1972年に最初のカーボンシャフトが開発されたと言われています。
この年日本の第一回太平洋マスターズでゲイ・ブリューワーが優勝した際にカーボンシャフトを使っており、ブラックシャフトとして話題になり、ブームの火付け役となりました。

しかし「ブラックシャフトは飛ぶが、非力なゴルファー向き」と言われていた当時のカーボンシャフトの評判を覆したのが、本間ゴルフの開発した「バイオレット」シャフト

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プロがこぞってカーボン、特にこのバイオレットを使い出し、格段に飛距離を伸ばした。

これが起爆剤となってカーボンシャフトは特に日本で広まったのでありますが、これはなぜかと言うと、カーボンシャフトがスチールに比べて非常に軽かったからです。

シャフトが軽いので、手元の伝わってくる重さはほぼヘッドの重さでした。つまり、ダイレクトにヘッドの重さを感じられると言うことで、振り下ろすタイミングが掴みやすくなって、スイングスピードも上がっていきました

したがって、ドライバーに装着するシャフトはスチールシャフトからカーボンシャフトへと、劇的に変化していったのです。

ユーティリティはスチールかカーボンか?

現在のシャフト選びのスタンダードなケースでは、ドライバーはカーボン、フェアウェイウッドもカーボンを使用しています。

アイアンのシャフトは、飛距離を求める人はカーボン方向性重視の人はスチールを使用しています。

では、ユーティリティはどちらを選ぶべきなのでしょう?

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答えは、あなたのユーティリティクラブを使う目的によって変わると言うことです。

ユーティリティクラブは、ロングアイアンの飛距離をカバーするために使用され始めましたので、ヘッドスピードが一般的な36~40m/sのゴルファーには、カーボンシャフトがおすすめです。

また、ヘッドスピードが速く、方向性を重視するゴルファーにはスチールシャフトがおすすめと言うことになります。

ユーティリティクラブのヘッドには、アイアン型とウッド型の2種類がありますが、ヘッドの選択もあなたがアイアンが好きなのか、フェアウェイウッドが好きなのかによって変わってきます。

飛距離重視なのか、方向性重視なのかによって、ユーティリティのシャフトのは、変わってくると言うことです。

まとめQ&A

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Q ユーティリティについて、ヘッドはアイアン型を選ぶのか、ウッド型を選ぶのか、シャフトについては、飛距離重視なのか、方向性重視なのかで、選択が変わってくるとのことですが、どちらも満たしてくれるおすすめユーティリティを教えてください?

A 特別な最新ユーティリティでおすすめなのが、アイアン型とウッド型のいいとこ取りの2つのモデルがあります!

プロギア  Q ・・・リーディングエッジが飛び出した独特の形状で、ロフト角度以上に打ち出しが高くなる。ソールは、V字型になっているので、あらゆるコースのライからのショットにしっかり対応してくれます。

フォーティーン  HI 877 ・・・ウッド型ユーティリティの上がりやすさと、アイアン型ユーティリティの抜けの良さを兼ね備えた、ヘッドの色も特徴的な「877(バナナ)」です!

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ユージン
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