さて、今回は現在最強の女子アマチュアゴルファーである「安田祐香選手」のスイングと、それを作り出している最強のメンタルについて見ていきたいと思います!
アジア最強女子アマ決定戦「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」茨城県ザ・ロイヤルゴルフクラブ(6431ヤード・パー72)は2019年4月28日、4日間の日程が終了しました。
世界の強豪が参加する中、日本の安田祐香選手(大手前大学1年)が最終日「65」を叩きだし、トータル11アンダーと2位以下に8打差をつける圧巻の強さで優勝しました!
この優勝で安田祐香選手には7月の「エビアン・チャンピオンシップ」と8月の「全英AIG女子オープン」というメジャーの切符が2枚と、2020年の「オーガスタナショナル女子アマチュア」への出場権が与えられました!
安田祐香選手の最強スイング
安田祐香選手は2000年12月24日生まれ、兵庫県神戸市出身。
家族の影響で7歳からゴルフを始め、小学3年の時、坂田信弘プロの坂田塾に入り本格的にゴルフに取り組み始める。
憧れの選手は、松山英樹プロだそうです。
安田祐香選手は、カラダが大きくないにもかかわらず、海外選手の飛距離に引けを取らないどころか、それ以上の飛距離を出しています!
安田祐香選手のスイングの最大の特徴は、海外選手のように体をアグレッシブに大きく使うのではなく、クラブヘッドをダウンスイングからインパクトにかけてスイングプレーンにしっかりと乗せて、一気に解放しヘッドを走らせているのです。
飛距離を伸したいならば、「クラブが主役」
そして、「クラブが主役」のスイングをするために、彼女がやっている最大の特徴は、ゆったりとしたリズムでスイングするということです。
ゆったりとしたそのリズムは宮里藍選手と共通するものを感じます。
宮里藍さんに負けず劣らず、クラブヘッドの走らせ方がとても上手なのです!
ゆっくり上げることで、トップでしっかり体重が右股関節に乗った状態が作れて、全身にパワーがしっかり溜まり、切り返しのタイミングにも余裕ができるので、ダウンスイングでは左足でしっかりと左サイドのカベを作ることが出来て、自身のパワー以上のものをボールに伝えることが出来ているのです。
ゆっくりとしたリズムで振る選手は他にもたくさんいますが、安田祐香選手さんの凄さは、ドライバーからパットまですべて同じリズムでスイングしていることでしょう!
同じリズムで振れることで、すべてのクラブがばらつきのない、一定の距離感と方向性を実現しているのです。
「ドライバーはいいけどアイアンはダメ」とか、「アイアンはいいけどドライバーが当らない」というアマチュアゴルファーの皆さんには、ゆっくりリズムでスイングすることを、ぜひおすすめします!
安田祐香選手のメンタル
優勝後のインタビューでの言葉に、年々進化している安田祐香選手のメンタルの強さが読み取れます!
「最終日にこんなにスコアを伸ばせると思っていなかったし、他の子たちも伸ばしてくるから、結構ピリピリすると思っていました。でも、自分に集中して出だしから3連続バーディが来て、ピンチもしっかりパーセーブできたので、落ち着いて後半に入れて優勝できたと思う。」
「朝、練習したときはすごく(腰が)痛かったけど、今日1日頑張ろうと思った。試合が始まったらそんなに痛みは感じなくなっていたし、ショットも良くなっていたので良かったです。」
「2打リードから始まって、(出だしの3連続バーディで)差が広がっていくのは気持ち的には落ち着いてできた。でも、油断できないな、という感じでした。きのうの上がりホールくらいから、パターの不安がなくなったのが大きかったと思う。」
安田祐香選手は、その言葉通り、前日の15番ホールから、バーディー、イーグル、バーディー、バーディーでホールアウトして、最終日の出だしの3連続バーディー、と5番ホールのバーディーで、なんとその9ホールで9アンダーというとんでもないスコアをたたき出したのです!
「今週は落ち着いてプレーできたことと、風がちょっと強かったけど、他の選手が良くない中でも自分のゴルフをして、耐えるゴルフができたことです。」
かつて一緒にラウンドした成田美寿々プロは、「申ジエさんのように肝が据わっている」と元・世界ランク1位の名手と比較しても引けを取らない選手だと安田選手のメンタルを評価した。
「バーディでもボギーでも表情を変えない。全くリズムが変わらない」渡邉彩香プロも「私たちは、どうやったらあの域までいけるんだろうね」と感心するほどだったと安田祐香選手のメンタルの強さに脱帽という様子だった。
今後の安田祐香選手
優勝直後のインタビューで、「この優勝は自分にとっては、プロを目指しているので、それに向けては自信になった。」と答えていたが、現在大学1年生という立場だが、その進路は明確にプロの世界、しかも海外ツアーに目を向けているようだ。
そんな安田祐香選手が、海外メジャーにも出場できるということについては、「すごくうれしいし、米LPGAのメジャー大会にいきなり挑戦できるのは、大きな経験ができると思う。」
と話しており、同時に「プロになったら、来年のオーガスタナショナル女子アマには出場できないですよね?」という質問に対して「プロテストに合格したら残念だけど、まだ決まっていないので。もしプロになれなかったらオーガスタに行けるので、それはうれしいです。でも、微妙ですね。」と苦笑を浮かべていたという。
「世界でプレーしたい気持ちは強く、特にアメリカLPGAツアーに行きたいなというのはずっと思っている。」と話している。
しかし、「まずは日本で頑張って、それからです。将来的には行きたいけど、まだ準備ができていないかなと思います。」と、堅実に冷静に目標を見据えているすでに大物の風格を感じさせる18歳なのであります。
安田祐香選手の不安要素
スイングもメンタルも、申し分のない安田祐香選手ですが、ひとつ不安な要素があるのが、「腰痛」です。
「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」優勝後、初となる日本の女子プロゴルフツアー「パナソニックオープンレディス」の出場を腰痛のため断念することになったのです!
腰については、2019年1月から痛くなりだしたといい、「1ヶ月休んで2月終わりから練習を開始、3月から試合にも出始めたが、1試合終わると痛くなる。」という具合だったが、「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」はいい位置でプレーが出来ていたので、少し無理をして頑張ったそうである。
今後は、腰痛治療に専念しながら、5月後半の試合に出場予定で、調整をしながら7月の「エビアン・チャンピオンシップ」と8月の「全英AIG女子オープン」という2つのメジャートーナメントに臨むことになっている!
無理をせず、万全の体調でメジャーに出場できるように、心からお祈りしたいと思います!
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