2018年、高知黒潮カントリークラブで開催された「カシオワールドオープン」は、超変則スイングの韓国・チェホソン(崔虎星)選手の優勝で幕を閉じた!
韓国のプロゴルファーのスイングといえば、どの選手もきれいで、統一感があり、時にはみんな同じスイングで個性がない!とまで言われることまであります。
そんな中、チェホソン選手の変則スイングの個性は半端ない!チェホソン(崔虎星)の名前に虎の字が入っていることから「虎さん」と呼ばれています。虎さんの優勝に見る変則スイングの強さを検証してみましょう!
チェホソン(崔虎星)選手はどんなゴルファー?
家は貧しく農業と漁業を兼業していた。
長男の彼は船に乗り家業を手伝い、荒波と戦いながら強靭な力とバランス感覚を養った。
20歳の時、マグロの解体作業中に右手親指の一部を切り落とす事故に遭った。
絶望に打ちひしがれ2年半もの間全国を回り様々な職を転々とした。
ようやく立ち直り、後にゴルフ場に勤務したことから25歳でクラブを握り、プロを目指して独学で猛練習をし始めた。
そしてなんと翌年には、早くもセミプロテストに合格。
2001年には韓国下部ツアーで賞金王になっており、レギュラーツアーでは08年に初優勝を果たしている。
12年に日本のQTに挑戦して31位に入りツアー出場権を手に入れる。
翌13年は“日本デビュー”前にワンアジア枠で出場した『インドネシアPGA選手権』で優勝。いきなり初シードを確定させた。
そこから5年連続でシードをキープし、14年は1ラウンドあたりの平均パット数が1位だった。
17年は『フジサンケイクラシック』で3日目を終えて2打差の首位に立ち、ツアー2勝目の大きなチャンスだったが、最終日は序盤に崩れて優勝争いから早々に脱落したことが惜しまれる。
そして2018年、チェホソン選手は独特の変則スイング、名付けてフィッシャーマンズスイングで観客を大いに楽しませながら『カシオワールドオープン』最終日5バーディ・ノーボギーの「67」をマークし、トータル15アンダーで逃げ切り、今季初優勝、5年ぶりのツアー2勝目をつかんだ!
チェホソン(崔虎星)選手のスイングの秘密!
ぐるりと回る変則スイングで話題の“虎さん”ことチェホソン選手。
まず、アドレスで注目したいのが極端なクローズスタンス。
右足を引いたクローズスタンスはテークバックで体が回りやすくなる半面、フォローでは左足がブロックしてしまい回転しにくいデメリットもあります。
チェホソン選手の場合、テークバックでの力感は感じられず、楽にバックスウィングできるメリットを重視しているようです。
旺盛なサービス精神とコミカルな動きに加えて、苦労人ならではの明るく温かい人柄で、いまやツアーの人気者となっている。
「インパクトで、最大限のパワーをボールに伝えるために回転させている」と、飛距離アップが目的なのだ。
「年をとると体の動きが固くなるし、若い選手がどんどん飛ばしてきている。飛ばそうとスイングを大きくしようとして、ああいう動きになった」と真摯に答え続ける。
あれほどの激しいアクションがありながら、2018カシオワールドオープンでは、FWキープ率64.29%(15位タイ)、平均280ヤード弱(28位タイ)と、結果を残した。
綺麗なスイングとは呼べないが、自己流を突き詰めて結果を出す姿は、アマチュアゴルファーにも夢と希望を与えるもので、オジサンゴルファーの星であり、人気低迷にあえぐ国内男子ツアーの星ともなりつつある。
チェホソン選手は様々な職を転々とした後、25歳でゴルフを始めた。だからどうしても体が硬い。もともとゴルフをするための軟らかさがない。
それを補うためにクルっと回るようにしている。インパクトのパワーを最大限に伝えるために回転していると本人は解説している。
フォロースルー、フィニッシュで持ちあげたクラブが左右に踊る。虎さんも一緒に踊る。それにも理由があるらしい。
「あれはインパクトの瞬間に左右どちらにボールが飛ぶのを感じて、体が反応している。体を右に曲げると、ボールも右に。左にすると左に行くんだ」という。
「もう少し飛ばさないといけないと考えてきました。深くバックスウィングして、回転を強くしようと工夫してきました。強くインパクトするよりも回転を意識しています」と、チェホソン選手はいう。
2013年にワンアジアツアーを兼ねた「インドネシアPGA選手権」で初優勝した時のスイングとは「全然違います。少しおとなしい」と振り返った。
変則スイングの強さとは?
「人の顔がそれぞれ違うように、ゴルフのスイングだっていろいろあっていい。ゴルフも自由に、自分のスタイルに合うようにすることで、楽しくなると思う」と、チェホソン選手は言う。
ゴルフスイングを効率的なものにして、再現性の高いスイングにするには、ゴルフクラブの性能をしっかりと引き出すためのシンプルな動きにすることが求められます。
そのためのスイング軌道を安定させます。安定させるためには、複雑な動きではダメです!
アドレスで、スタンスの方向はスクエアにして、トップではなるべくオーバースイングにならないよう右肘、右脇をしっかり締め、右足でしっかりとカラダを支えます。
ダウンスイングでは、左足へのスムーズな体重移動をおこなうために、左腰をターゲット方向へスライドさせながら左足で壁を作ってインパクトでのクラブヘッドの通過を待ちます。
フォロースルーでは、左足が軸足となりカラダをしっかりと支えフィニッシュまで軸足は動かさない。
これが一般的なスイングの動作の手順である。
シンプルな動きであればあるほど、再現性が高く平均的に優れたスイングを作り出すことが出来ます。
ところがこのシンプルな動き、本人はやっているつもりでいても、なかなか動きが本人の感覚とは一致せず、ビデオの画像を見てがっかりするなんていうことがよくあります。
その点、チェホソン選手のような変則的なスイングの方が、感覚重視でスイングしていきますから、たとえセオリーを逸脱してでもインパクトのカタチをスクエアに合わせてしまう強い足腰で一気に振ってしまう。
個性的な変則スイングを作り出すためには、自分が自分のカラダの動きに対して、しっかり理解しているということが必要なのです。
そして、何よりも独自の理論、独自の変則スイングを突き進んで貫いている精神力!この強靱なメンタルがあるからこそ、プロの世界で通用するのである。
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まとめQ&A
Q チェホソン選手は、あんな変則スイングでどうして優勝出来たのでしょうか?
A 何よりもチェホソン選手が、変則スイングのカタチを変えずにずっと続けてきたことに大きな理由があります。不調が続いたり、成績が低迷したりすると、どうしてもプロの世界ではスイング改造という選択肢が頭をよぎるのだか、チェホソン選手は、強靱な精神力で独自の理論、独自の変則スイングを突き進んで貫いていることこそが、大きな勝因でしょう!
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