片山晋呉プロの不適切な行動?いったい何をしたのか!

国内メジャー「日本ゴルフツアー選手権 森ビル杯」のプロアマ戦(5月30日)で、ゲストが片山晋呉プロの不適切な応対を不愉快に感じ、プレー続行を断念するという事態が起きた。これを受け、日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、片山晋呉選手に対して厳重注意と罰金30万円を課し、青木功会長をはじめ、石川遼選手会長同席のもと謝罪会見を行った。片山晋呉プロは、自らツアー競技参加の自粛を発表した。この問題は、女子プロゴルフツアーの隆盛と対極にある男子ツアーの様々な問題を提起している。片山晋呉プロの何が不適切で、それぞれの立場で何をしたのか、そして今後何をしなければならないのかを考えてみましょう。

片山晋呉プロは何をしたのか?

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片山プロは当日のプロアマ戦でA氏ら同伴ゲスト3人とラウンドをスタートした。

A氏が1ホール目の2段グリーンでパットをしている間、片山プロは翌日からの試合を想定し、カップの切られた段とは異なる位置をめがけてパッティング練習を行った。

アマチュアにライン読みのアドバイスを行ったが、自身の練習ストロークについては声を掛けたり、承諾を求めることなくおこなっていた。

同ホールでのプレー終了後も、片山プロは3~5分にわたってグリーン周辺でショートゲームの練習を継続。

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すでに次のホールのティグラウンドへ移動していたA氏から「早く(ティへ)上がってきてくださいよ」と声を掛けられた。

片山プロは練習をやめて小走りで向かったが、先行する組がティショットを打つ前だったことから、まだ前の組がいるではないかという趣旨の言葉をひとりでつぶやいたという。

その後、A氏から同伴アマチュアへの配慮が欠けているという苦言を呈され、片山プロは「すみません」と対応したとのこと。

しかし、その後片山プロを含めた4人が2ホール目のティショットを放つと、A氏は「帰る」と発言し、総支配人に連絡をとり、迎えに来させて、クラブハウスに引き返したという。

A氏は、大会のメインスポンサーである森ビルの招待客で、都内に事務所を構える会社の経営者だそうで、開催コースのメンバーで、腕に覚えのあるプロアマの常連でもあるという。

片山プロは記者会見で、当時の心境について「『なぜ帰るのか分からない、どうして帰るんだろう?』という感じだった。一緒に(別の)同伴プレーヤーもいましたし、その方々も『どうしたんだろう』と言っていたので…僕も同じような感じでした」と説明をしている。

という状況の中で、問題になる不適切に何をしたのか、何をしなかったのか、ポイントをまとめると!

不適切なポイント

  • アマチュアの方が、グリーン上でプレー中にも関わらず片山晋呉プロは、練習ストロークをしていた。
  • アマチュアの方が、次のホールに移動をしているのに片山プロは一緒に行かず、練習ストロークを続けていた。
  • A氏は、片山プロが「すいません」と対応した後にプレーを放棄して帰ってしまった。
  • JGTOやメインスポンサーとの間で、「プロアマ戦」に関しての競技規定がしっかり決められていなかった。

片山晋呉プロはどんなゴルファーか?

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こうした問題が表面化すると、片山晋呉プロの様々な悪評を積み重ね「片山はケシカラン奴だ!」となってしまっている軽々しい世間の論調に、筆者はちょっと納得いかないのである。

筆者は、片山晋呉プロの実績に対して、またゴルフへの取り組みに対して、敬意を抱いているゴルファーのひとりである。

片山晋呉プロは、日本プロゴルフツアー28勝の永久シード保持者である。

4回の賞金王、2009年マスターズ4位、という日本のプロゴルファーのトップランクの人間である。

2017年、ISPSハンダマッチプレーで優勝し、ツアー最高賞金額の5000万円を獲得したことは記憶に新しい。

練習に対する姿勢は、日本のプロゴルファーの中でも誰よりも貪欲である。特徴的なのは、風変わりなパターを、独特なグリップのスタイルで操る姿は、まさに「ゴルフ職人」である!

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週刊ゴルフダイジェストに連載されていた、元巨人軍のコーチで王貞治選手の生みの親といわれた、故、荒川博さんと片山晋呉プロの対談は、読みながらそれぞれの極めた世界の人間同士の対話の空気が伝わってくる圧巻の対談であった!

コツコツと練習を積み上げ、少しずつ自信をつかみ、試合に臨み、また納得のいかない部分を修正するための練習を重ねる。そんな繰り返しである。

しかも、練習を積み重ねてもなかなか納得のいく結論に達しないのがゴルフ!そこには、また不安が芽生え、その不安を打ち消すために、また練習をする。

その作業は、まさに孤独な職人の世界!プロフェッショナルな世界なのである。

タイガーウッズでさえも、コーチを次々に変え、スイングを変え、悩み苦しみ、様々なトラブルも起こしてしまった。それほど、孤独な職人なのです!超一流ゴルファーというものは!

だから、プロアマ戦の最中でも練習したいという心理が働くのである。

たとえ不適切だったとしても、永久シード選手になれるような選手は、これ位のゴルフ職人じゃないと成れません!

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同じゴルファーとして、プレーを放棄したA氏には、片山プロに対するリスペクトの気持ちが欠けていたことは事実であろう。

もちろんA氏に対して、片山晋呉プロからのリスペクトも欠けていたのであろう。

まるでお互いが、立場の上下を争っていたような状況だったようにしか思ないのである。

同じゴルファー同士として、時間を共有して、ゴルフに敬意を持ち、お互いに一流のゴルファーとしてのコミュニケーションがとれていたなら、このような自体にはならなかったと思い、残念であります!


ゴルフ界は何をしたのか?何をしなければならないのか?

昨今、世界的にゴルフ人口の減少には歯止めがかからない状況にある。

そんな中、日本で唯一盛況なのは、女子プロゴルフツアーの盛り上がりである。

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女子プロゴルフ協会は、いったい何をしたのかと言えば、まずは社会人として女子プロゴルファーをしっかりと教育をするという取り組みと、ツアーが停滞しないようにするための仕組みの変更(リランキング制度など)を行ってきたことが努力として成功したということであろう。

男子プロゴルフ界においては、日本プロゴルフ協会(PGA)の様々な問題が噴出したり、日本ゴルフツアー機構(JGTO)との分裂があったりと、この二重構造の中で、本当にゴルフ界をリードし、改善するチカラがあるのかが甚だ疑問なのであります。

今回の片山晋呉プロの不適切な事例として取り上げられた問題の背景には、PGAとJGTOの存在意義自体が問われる問題だと思えてなりません。

ゴルフ界をリードする立場の団体が分裂したまま、このままで女子プロゴルフ協会に追いつけるのか?危機は本当に救えるのか?そもそも救う気があるのか?そう問わずにはいられない心境です。

ゴルファーをひとりでも増やすため、2019年R&Aが大胆なルール改訂をすることが決まりました。

ただルールをゆるくすることだけで、ゴルフ人口を増やそうというのは、間違いだと思います。

それを、どのように上手に活用させるのかは、プロゴルファーの指導リードなしには活かし切れません

まとめ Q&A

Q 片山晋呉プロは、不適切な行動をとったと言いますが、いったい何をしたのですか?そして、どうすれば今後問題は解決するのですか?

A プロゴルフトーナメントは、スポンサーなしには成り立ちません。ですから、スポンサー様を大切におもてなししましょう!という趣旨のもとで開催された「プロアマ競技」の場で、片山晋呉プロがスポンサー様のひとりを、怒らせるような行動をとったことが不適切と認定されたという問題です。

今後、このような問題が起きないようJGTOもプロアマ競技に対する規定を明確にすることは当然ですが、プロゴルファーが、スポンサーに媚びるような態度になってはいけませんし、スポンサーサイドが、プロゴルファーを上から目線で見てはいけません。その立場の壁を作ってしまえば、ますますツアーの衰退に歯止めがかからなくなります!

ゴルフというスポーツは個人スポーツですから、この競技に対しての取り組み方は自由です。

しかし、プロゴルファーというにはもっとも良質なゴルファーとして、一般ゴルファーから尊敬される人格の人間でなかればなりません!

プロゴルファーは、アマチュアゴルファーからリスペクトされる存在であり、スポンサーに対してプロゴルファーは、社会的な成功者をリスペクトするという、お互いに一流の社会人、一流のゴルファーとして向き合えるようにならなければ同じ問題は繰り返されてしまいます!

そういった意味でいえば、片山晋呉プロも、途中でプレーを放棄したA氏も、ゴルフ競技に対して紳士的でない不適切な行為をおこなったゴルファーとして同罪と言えるであろう。

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ユージン
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