今回のテーマは、なぜスライスがでるのか?その原因である「振り遅れ」!
スライスになる「振り遅れ」を生む原因は、日本語の解釈の誤りにありました!どういうことか、お話しましょう。
筆者はかつて、プロ講習会でプロゴルフ界のレジェンドのひとり、安田春雄プロからレッスンを受けたことがあります。
安田プロと言えば、攻撃的なドライバーショットが持ち味で、強烈なフックボールを打っていました。
筆者がドライバーでスライス気味のボールを打っていると、「おい!スライス球は死んでる球だぞ!しっかりつかまった球を打て!」と渇を入れられました。
安田プロの切れのあるドライバーショットを実際に拝見すると、何も言えませんでした!
確かに生きた球、意思を持った球が、ターゲットに突き刺さっていくように飛んでいきました!
スライス回転のボールよりも、フック回転のボールの方が飛距離は伸びます。
ゴルフクラブの構造上ドライバーはきちんと打てればスライスはせず、ヘッドがキレイにターンしてスライスにはなりません。
ドライバーでスライスする原因は「振り遅れ」!
ドライバーショットでスライスボールが出てしまう原因は、たくさんあります。
その中でも、多くのゴルファーが「ドライバーは遠くへ飛ばしたい!」という強い思いから、とにかく早く振ろうとし過ぎてしまうことが、スライスの大きな原因だと考えられます。
「早く振らないと飛ばない!」この強烈な信念(というか脅迫観念のようなもの)でひたすら腕を早く動かし、カラダを早く回転させるという練習を必死で続けているゴルファーをよく見かけます。
(残念な練習、残念なゴルファー・・・)
早く!早く!とカラダを使えば使うほど、実際にボールを打つ主役のドライバーヘッドは、まったく先行できずに遅れてしまうことになってしまいます。よくいう「振り遅れ」という現象が起こる。
「えっ!振り遅れが原因?そんなバカな!それじゃあ、もっと早く腕を振って、もっと早くカラダを回転させて!」と真っ赤な顔をして、「遅れまい!遅れまい!早く!早く!」とまた間違った練習に邁進してしまうゴルファー。
日本語って難しいですよね!言葉の解釈の誤りが原因で、苦労をしているゴルファーも多いのです。
「振り遅れ」とは、あなたの動作が遅れていることが原因ではなく、「ドライバーヘッドが返ってくるのが遅れてしまう」ということを言っているのです!
ロンゲストドライバースイングに学ぶ
『デンマークのプロゴルファーのカーステン・マースさん。
使用したのは通常の約4倍近い長さがある4.37メートルのドライバー。
素材は一般的なゴルフクラブと同じものですが、持ち上げただけでムチのようにぶんぶんしなっています。
このギネス記録の認定には「実際に使える」ことが条件になっていますが、マースさんはこのクラブで180ヤードを飛ばすまさかのナイスショットを披露。』
想像して見て下さい。あなたが、この4.37メートルの長さのドライバーを振るとしましょう。
こんな長さのドライバーでスイングして、きれいな円を描くとすると、そのスイングは相当にゆっくりになるはずです。
これを無理矢理早くスイングしようとすると、カラダは早く回転させようとしても、クラブがついてきません。つまり、ドライバーヘッドは遅れてしまいスライス(こんな長いクラブなら空振り!)ということなのです。
このように、体が回転しているのに腕の振りやクラブがついてこず、結果クラブヘッドも遅れて入ってくること。これがスライスを生む「振り遅れ」と呼ばれる現象なのです。
では、この4.37メートルの長さのドライバーを「振り遅れ」なしに、正しく振るためにはどうしたら良いのでしょうか?
動画のマースさんのように「ゆっくり振る」ことです!
「君は何を言ってるんだ!振り遅れが原因と言われてるんだぞ!なのに、ゆっくり振れとはなにごとだ!」と怒ってしまう人もいるかもしれませんが、ドライバーショットの主役は、ドライバーヘッドなのです!
あなたの腕力やカラダの力に自信があったとしても、実際にボールをとらえる主役はドライバーヘッドであって、ヘッドを走らせる遠心力を生かすことなのです!
この動画を何度もみて、スイングの主役がドライバーヘッドであり、シャフトであることを認識して下さい!
トップの位置からダウンスイングに移行する時に、きっかけとして左への体重移動があり、シャフトの進行方向がボールの方向に向かってきたら、あなたは胸をボールと正対させて、その場でドライバーヘッドがボールを弾いていくのを待っていて下さい。
シャフトの動きはゆっくり振れてきますが、インパクトゾーンに入ると、ヘッドは一気に加速してボールを勢いよく弾き飛ばしていきます。これが、スライスしない!振り遅れないスイングの理屈です。
スライスの原因「振り遅れ」を直す練習方法
アマチュアゴルファーの約7割が抱えている悩みが『スライス』。
ボールが右へ曲がり、狙ったところにボールが飛んで行かず、飛距離も伸びず、なかなかスコアがよくならない。
スライスが起こるもっとも簡単な原因は、ボールを打つ瞬間(インパクト)にフェースがスクエア(目標方向)になっておらず、開いて(右を向いて)当たっていることだということを認識しておいて下さい。
つまり、ボールを打つ瞬間(インパクト)に、フェースがアドレスでスクエア(目標方向)に合わせた位置に戻せば良いということです。
通常、棒状のものを気持ち良く振ろうとすると、多くの人は体を回して棒を引っ張るような動きをします。
野球のバットやテニスのラケットなどを振るときには、それが自然な動きなのですが、ゴルフクラブを振った場合は、上体よりもクラブが遅れて下りてくるので、インパクト時にフェースが開いてしまうのことになるのです。
ですから、何も気にしないで気持ち良く振ろうとすると、クラブフェースは開いてスライスしてしまうものなのです。
テニスラケットなどをクラブヘッドにみたてて振ってみるとフェースがどこを向いているかがわかります。
インパクトでのフェースの向きは、大きく分けてグリップ(握り方)、アドレス(構え)、スイング中の体の動きが原因になってきます。グリップやアドレスについても、スクエア(目標方向)になっているかを確認しましょう!
スライスが直らない人は、インパクト時にフェースがスクエアに戻るように自分でしっかり意識することが大事です。
ラケットドリル
そこで、バドミントンラケットを使ったドリルを紹介します。(ご家庭にある「うちわ」などでも代用できます。)
このドリルによってスライスの原因を解消はもちろん、フェース面を自分で管理する意識が身につきます。
- 左手でラケットを持って、通常どおりにアドレスします。
- もちろん、ラケット面は目標に対してスクエア(目標方向)な状態です。
- そのまま左手だけでバックスイングからダウンスイングに入り、インパクト位置で止めてみてください。
- 左腕とフェース面が、アドレス時と同じ状態に戻っていれば正解です。
- もしフェースが開いていたら、左脇が緩んでいないかをチェック!
うまくできた場合は、左上腕の内側で左胸を押さえるような締まり感があるはずです。
日本語の誤解が原因で起こるミスショット
スライスの原因「振り遅れ」は、遅れないように「早く振ろう」とする。・・・正解「ゆっくり振る」
高いボールを打とう!と思ってクラブを「高く」持ち上げる。・・・正解 クラブヘッドを「低く」出す
フワリっと柔らかいアプローチショットを打つ時、柔らかくグリップする。・・・正解 グリップは緩めない!
ショートパットをそーっと打つ時、グリップをそーっと持つ。・・・正解 グリップは強く握る
などなど、これらの打ち方は、全部裏目の結果を生み出してしまう原因になります。
思い当たる人は、全部逆のことをやってみて下さい!
まとめ Q&A
Q ドライバーのスライスの原因である「振り遅れ」を直すポイントはどこですか?
A スイングの順番を意識しながら、むやみに振り回すのではなく、クラブをゆっくり振ることです。インパクトはアドレスの再現と言われます。ラケットドリルで、インパクト時の左上腕の内側で左胸を押さえるような締まりを感じるように練習してみて下さい。
こちらの記事もご覧下さい⇒ドライバーのフェースの向き、アドレスからどう動く?